なぜ遺言書が必要か?
●紛争防止
誰が何を取得するか明確に指定し紛争を防止する
例えば、親の面倒をよく見てくれた次女に多めに残したい・・・等
●相続人でない者に財産を与える場合
内縁の妻、子の配偶者、孫への贈与、生前お世話になった人への寄付等
●農家や個人事業主の場合
相続による事業資産の分散を防ぐ(例・すべての事業資産を長男に相続させる)
●被相続人と配偶者の間に子供がない場合
配偶者に有利な相続が遺言により可能
●その他にも・・・
◆先妻と後妻にそれぞれ子供がいる場合
◆配偶者以外との間に子供がある場合
◆相続人の中に行方不明者や浪費者がいる場合
◆相続人同士の仲が悪い場合
遺言の方式は法律で定められている
●法律上の方式に違反する遺言は無効となる
●遺言で定められるのは、自分の持っている権利の範囲内のみ
●遺言は(死ぬ前なら)いつでも本人の意思で自由に、
変更・撤回できる
●遺言の変更、撤回の場合も法律の方式を守らなければならない
●法定の遺留分(相続人の最低の取り分)に注意が必要→
遺留分とは
遺言書を書いてみよう!(文例付)
これだけは守る!遺言書作成10の注意点
1.全文自筆であること。
(代筆やワープロ作成したものは無効。鉛筆書きも不可)
2.タイトルは「遺言書」でなければならない。
「覚書」などは不可。
3.作成日付を正確に記す。(〇年〇月吉日は無効)
4.遺言者が署名、捺印する。
(戸籍記載通りの姓名で署名。印鑑は実印がよい)
5.財産の内容について正確にわかりやすく書くこと。
(不動産は登記簿記載通り、貯金の場合は銀行名、支店名、
口座番号を記す)
6.「譲る」「渡す」「継がす」などのあいまいな表現を避ける。
「相続させる」「遺贈する(させる)」と記す。
7.人名の後には生年月日を記す。
8.内容の一部訂正には決まりがある。
(決まりを守らなければ無効となるので注意)
●訂正箇所に加入の場合、{ を記し、書き加える。
●削除、訂正の場合、原文がわかるように二本線で消す。
そして正しい文言を記入。
●変更した箇所に押印。(遺言書に押した印鑑で)
●変更した部分の欄外に「本行〇字削除〇字加入」
と付記し、署名する。
遺言書末尾に記すことも可。
「本遺言書第二項三行目〇を〇に訂正」署名
重要な変更がある場合は全文書き直したほうが安全!
9.遺言書が二枚以上になった場合はホッチキスでまとめ、
契印を押す。(遺言書に押した印鑑で)
10.単独の遺言書であること。
(夫婦であっても、別々に遺言書を作成する必要がある)
遺言書の例
遺言書
遺言者山田一郎は次のとおり遺言する。
一、妻山田花子(昭和22年2月2日生)に次の財産を相続させる。
1 所在 大阪府大阪市天王寺区〇〇〇5丁目
地番 弐番参
地目 宅地
地積 弐百参拾五・壱四平方メートル
2 右同所所在、家屋番号 五拾弐
木造瓦葺二階建居宅
床面積 壱階八九・八平方メートル
弐階五五・七平方メートル
3 右家屋内にある什器備品のすべて
二、長男山田次郎(昭和45年4月3日生)に次の財産を相続させる。
〇〇銀行 大阪支店 普通 番号1234567
遺言者名義の普通預金
但し、妻山田花子と同居し老後の面倒をみることを条件とする。
三、長女阿部桃子(昭和47年8月8日生)に次の財産を相続させる。
株式会社〇〇の株式のすべて(〇〇証券大阪支店に預託)
四、右以外の財産は、孫山田三郎(平成12年9月3日生)と、
孫阿部さくら(平成14年4月7日生)に二分の一ずつ遺贈させる。
五、付記事項
私は夫として、また父親としていたらない部分も多々あった。
皆には迷惑をかけたが、良き妻、やさしい子供たちに恵まれ、
幸せな人生を送れたことをとても感謝している。
私の死後も皆が仲良く助け合って暮らしてほしいと願っている。
この遺言書の内容で誰一人もめないことを強く望む次第である。
皆体に気をつけて、いつまでも元気でいてほしい。
六、この遺言の執行者として、次のものを指定する。
大阪府大阪市中央区〇〇2丁目3番9号
行政書士 大阪太郎
平成20年5月9日
大阪府大阪市天王寺区〇〇〇5丁目2番3号
遺言者 山田一郎(昭和15年8月25日生) 実印
※不動産の項目は必ず登記簿記載通り(法務局で登記簿謄本を取り書き写す)
※「付記事項」(例文では五、に記載)をもうけ、家族へのメッセージを記すと、遺言書があたたかいものになる。
※ 遺言執行者を指定する場合は家族でもよいが、手続が煩雑なため(財産目録作成や不動産移転登記等)年老いた配偶者や、仕事で忙しい家族を指定しないほうがよい。
遺言書を書き終えたら
1.遺言書ができたら、印鑑証明書とともに封筒に入れ、封印する。
(遺言書に押した印)
2、封筒の表面に「遺言書在中 裁判所以外での開封不可。
開封すると5万円以下の過料になる場合があります」と記す。
3、封筒の裏面には年月日(作成年月日)と名前を記す。
これで遺言書は完成!
遺言の執行
自筆遺言証書の場合、遺言の執行前に家庭裁判所の検認手続が必要。
検認を受けなくても遺言の効力に影響はないが、不動産や銀行預金などの財産は、検認を受けなければ執行できない。
検認手続
相続人の一人が「遺言書検認申立書」に必要事項を記す。
(用紙は家庭裁判所に有)
↓
収入印紙(遺言書1通×800円)を貼る。
↓
遺言者の出生から死亡までの連続した改製原戸籍・除籍・戸籍謄本、申立人全員の 戸籍謄本を添付。
↓
遺言者の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に申し立て。
(郵送での申立可)
↓
家庭裁判所より相続人に通知
↓
遺言書の開封
以上の手続を経て、遺言の執行となる。
遺言書で執行者を指定している場合はそれに従う。
指定のない場合は、専門家(弁護士、行政書士、信託銀行等)に依頼。
(遺言書を公正証書にしておけば、家庭裁判所での検認手続は不要となります)
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阿部行政書士事務所
行政書士 阿部 千鶴
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ドミール中本303号